個人情報保護法のための 「学校における生徒等に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針 (文部科学省告示第百六十一号)」(PDF形式) の内容を一部抜粋し、エントリー 「学校の個人情報保護とブログ」 でお知らせしましたが、わずか 14KB のPDFファイルの中で、個人データの取扱いの委託、委託業者選定、その監督 の規定についての比率(文字数・文章量)が突出していました。
本日、某学校が廃棄したパソコンから個人情報が流出したとのニュースを見て、文部科学省の”予告?”に感心しましたが、ハードディスクなどのデータ消去法について学校の担当者に周知させる必要があります。
記事によると、計6台のPCのデータファイル削除(復元可能状態)、リース業者回収、産廃業者屋外処分場保管、廃棄したとのこと。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news003.htm など
社団法人 電子情報技術産業協会 (JEITA) 作成
「パソコンの廃棄・譲渡時におけるハードディスク上のデータ消去に関するガイドライン」
http://it.jeita.or.jp/perinfo/committee/pc/HDDdata/6.html [下記の引用は同協会ページ 5.html の一部です]
「データを消去する」という場合、一般に
◆ データを「ゴミ箱」に捨てる
◆ 「削除」操作を行う
◆ 「ゴミ箱を空にする」コマンドを使って消す
◆ ソフトで初期化(フォーマット)する
◆ 付属のリカバリーCDを使い、工場出荷状態に戻す
などの作業をすると思いますが、これらのことをしても、ハードディスク内に記録されたデータのファイル管理情報が変更されるだけで、実際はデータは見えなくなっているという状態なのです。
つまり、一見消去されたように見えますが、Windows®などのOSのもとで、それらのデータを呼び出す処理が出来なくなっただけで、本来のデータは残っているという状態にあるのです。
* パソコンの廃棄・譲渡時におけるハードディスク上のデータ消去に関するガイドライン [ガイドラインのダウンロードサイト]
http://it.jeita.or.jp/perinfo/committee/pc/HDDdata/index.html
* パソコンの廃棄・譲渡時のハードディスク上のデータ消去に関するご注意 [パソコンメーカー各社の関連情報リンク集]
http://it.jeita.or.jp/perinfo/release/020411.html
などをご覧下さい。
情報リテラシー教育は社会的責任能力、倫理的行動のための教育でもあります。
「生徒・学生の学習のための情報リテラシー9基準」
http://www.ala.org/ala/aasl/aaslproftools/informationpower/informationliteracy.htm
社会的責任 Social Responsibility が「情報力 Information Power」とよばれるリテラシーには求められています。
エントリー参照: http://k-12.be/notes/000076.php
学習者の共同体、社会に対して貢献する生徒・学生は情報リテラシーがあり、情報や情報技術に関して倫理的なふるまいを実行します。
Standard 8: The student who contributes positively to the learning community and to society is information literate and practices ethical behavior in regard to information and information technology.
情報・情報技術に関する倫理的な行動の中には、個人情報の取り扱い、プライバシー、ネチケットに対する正しい理解やインターネットを悪用 (不正アクセス、クラッキング、サイバー犯罪・サイバーテロなどを含む) しないという正しい考えに基づく行動も当然含まれます。
また、「21st Century Skills」
http://www.ncrel.org/engauge/skills/skill21.htm
では、「Effective Communication 効果的なコミュニケーション」 のために、個人的責任 personal responsibility のほか、社会的責任、市民の責任(能力) が必要です。
Social and civic responsibility is the ability to manage technology and govern its use in a way that promotes public good and protects society, the environment, and democratic ideals.
社会的責任、市民の責任とは、公益を促進して、社会、環境、民主主義的な理想を保護するように技術管理し、技術使用する能力です。
実際の倫理教育として、技術者の倫理教育 「テクノエシックス Engineering Ethics」 がよく知られています。スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故が米国では倫理教育に生かされています。
http://ethics.tamu.edu/ethics/shuttle/shuttle1.htm
http://iss.sfo.jaxa.jp/shuttle/index.html
21世紀の社会と科学技術を考える懇談会「社会とともに歩む科学技術を目指して」中間報告の概要
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/kondan21/minuteth.htm
では、以下のように解説されています。
(アメリカでは) 技術者の倫理教育が非常に盛んに行われており、ほとんどの大学で使用されている教材には、1986年にスペースシャトルが発射直後に爆発した事件の際、発射前に安全性に懸念を抱いた技術者が宇宙飛行士を含む公衆の安全を守る責務を感じて、会社の上司である経営者に打ち上げに反対を勧告していたという事例が記載されている。
Toxic Blogs Distribute Malcode and Keyloggers [プレスリリース 2005年4月12日]
優秀なウェブ・フィルタリングおよびウェブ・セキュリティ・ソフトウェアを提供中の ウェブセンス社 Websense, Inc. (ナスダックコード: WBSN) によると、
ITmedia エンタープライズ速報:
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0504/13/news016.html
"毒入り"ブログは、悪意あるコードやログ収集ソフトウエアを配布 (植え付ける) 目的で作成されており、このブログへアクセスした後では、銀行などのパスワード、ログイン情報が流出(盗難)する。これまで数百の"毒入り", "有害" ブログが確認されているとのことである。
出典元:
http://ww2.websense.com/global/en/PressRoom/PressReleases/PressReleaseDetail/index.php?Release=050412889
サイバーテロ・犯罪は今ではブログを利用する。(抄訳) ブログ開設は無料で簡単、ハッカーにとっては、いくつかの理由で魅力的な手段である・・・しばしば大容量であっても無料であり、情報や記事の投稿に際してハッカーは自己を証明する必要はなく、ブログをホストする会社の大部分は投稿ファイルのウイルス対策を行っていない・・・。
Cyber-criminals are now taking advantage of blog sites that allow users to easily publish their own web pages at no cost. Blogs can be attractive vehicles for hackers for several reasons—blogs offer large amounts of free storage, they do not require any identity authentication to post information, and most blog hosting facilities do not provide antivirus protection for posted files.
企業、官公庁だけでなく、学校、個人においても、個人情報保護のために、高性能なウェブ・フィルタリングおよびウェブ・セキュリティ・ソフトウェアの導入が必要な時代です。
文部科学省ホームページで過去2回の PISA (The Programme for International Student Assessment) 調査を閲覧することができます。
OECD生徒の学習到達度調査 (PISA) <<2000年調査国際結果の要約>>
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index28.htm
PISA (OECD 生徒の学習到達度調査) 2003年調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04120101.htm
2003年調査では、OECD加盟 30か国(および非加盟パートナー11か国・地域)、合計 41か国・地域を対象としています。日本全国の学校の15歳児生徒 約4,700人が参加(無作為抽出による)しています。
また、2003年調査では数学の能力、読解力、科学の能力の他、新規に「問題解決能力」についての調査も行われました。日本の生徒については、すべての能力で上位にランクしています。しかし、
ホームページ PISA
http://www.pisa.oecd.org/
からダウンロードしたPDFファイル (34009000.pdf) 1.8MB では、
Problem Solving for Tomorrow’s World ? First Measures of Cross-Curricular Competencies from PISA 2003
「Student Performance in Problem Solving Compared with Performance in
Mathematics, Reading and Science」
Comparison between performances in mathematics and problem solving at the country level
Figure 3.3 Difference between student performance in mathematics and problem solving
数学の能力と問題解決能力との差異 (問題解決能力のPISAスコアの方が相対的に優れている国・地域順. スウェーデン以下は数学の能力の方が優れます)
Brazil
Japan
Hungary
Germany
Russian Federation
New Zealand
France
Korea
Thailand
Australia
Macao-China
Portugal
Italy
Greece
Finland
Denmark
Indonesia
Austria
Luxembourg
Czech Republic (=両者間に差なし)
Sweden
Mexico
Latvia
Hong Kong-China
Spain
Canada
Poland
Belgium
Ireland
Switzerland
Norway
United States
Liechtenstein
Slovak Republic
Iceland
Uruguay
Tunisia
Turkey
Serbia
Netherlands
日本は、OECDパートナー ブラジル国に次いで、数学の能力より問題解決能力のPISAスコアが有意に高い国でした。(青色で表示した国は) 、数学の教育カリキュラムに問題があり、生徒の才能を充分に開拓できていない可能性があると解釈しています。
Stronger problem-solving competencies and weaker mathematics performance may indicate that the mathematics instruction provided does not fully exploit the potential of students.
···
On the other hand, students scored between 10 and 15 points more on average in problem solving than in mathematics in Germany, Hungary and Japan, as well as in the partner countries Brazil and the Russian Federation. This may indicate that students have generic skills that may not be fully exploited by the mathematics curriculum.
···
In contrast, if a country performs relatively better in problem solving, this may suggest that students have the potential to achieve better results in mathematics than that reflected in their current performance, as their level of generic problem-solving skills is relatively higher.
今日の社会はグローバル化された, 知識に基づくデジタル社会 "knowledge-based digital society" であると記載されているホームページ
EnGauge
では、21st Century Skills "21世紀における能力" を以下のように定義しています。
1900年代初期には、「読む、書く、計算する」能力を習得することが「リテラシー」とみなされていましたが、その後社会情勢は大きく変化し、21世紀においては、科学、テクノロジー、文化などを含む 「デジタル時代のリテラシー Digital-Age Literacy」 が生徒・学生に求められるようになりました (従来のリテラシーは 「基礎的リテラシー」 とされ、他に7つのリテラシーを追加)。
Digital-Age Literacy
Basic Literacy
Scientific Literacy
Economic Literacy
Technological Literacy
Visual Literacy
Information Literacy
Multicultural Literacy
Global Awareness
さらに、21世紀の教育・学習において、発明的な思考、効果的なコミュニケーション、高い生産性 を生むことが学習の到達目標とされます。
Digital Age Literacy
Inventive Thinking
Effective Communication
High Productivity
児童・生徒・学生、市民、労働者 (それぞれ、教育、公衆、産業・ビジネスの分野において) のために、米国において2年間の研究後、2001年に公表された能力 skillは、「The enGauge® 21st Century Skills」 とよばれます。