「電車男」 「眞鍋かをりのココだけの話」 「生協の白石さん」 「実録鬼嫁日記」―これらはネット文化である電子掲示板、ブログ (blog, weblog)を書籍にしたものです。ブログ本ともいわれたり、ベストセラーになったものがあります。
2006年6月16日、ブログをPDFに変換する無料サービス「mt2pdf」が公開されました。
BizPalブログ製本サービス MyBooks.jp
» http://mybooks.jp/Menu.aspx
MT形式(Movable Type)のブログデータ (ブログサービス名:ココログ、ライブドア・ブログ、SeeSaaシーサー、MovableType、TypePad、はてなダイアリーなど)はPDF変換可能です。
PDF化は無料ですが、「ページ数が50ページに満たない場合は、空白ページが50ページまで追加されます。」などの制約があります。
紙面向けの記事を無断でウエブサイト上に転用、掲載した新聞/出版社に対して著者が起こした裁判があります。和解にはいたりましたが、司法判断として著作権に関する契約は紙面とオンラインと両方で行うことが必要のようです。
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/03/31/104.html
一方、最近、新聞社/出版社などのウエブサイトでは、ホームページ利用規程の中で、公正利用 (フェアユース) の考え方を掲示しているところが増えています。インターネットでは、ブログによる投稿や配信も急速に増えています。しかも、ブログでは、引用や転載も簡単に行えるので、フェアユースについてよく理解しサイトやブログを運営しましょう。
藤本英介「ネット環境下の著作権と公正利用(フェアユース)」
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/1997/proceedings/fujimoto/fairuse.html
は、デジタル時代の「著作権」「フェアユース」の考え方や変遷の理由を学術的に詳しく解説した貴重なページです。
fairuse フェアユース (上記ページでは「公正利用」という言葉が用いられていますが、「私的利用」「フエア・ユース」といわれることもあります)。1976年の米国著作権法の中で「著作権の侵害」とならない利用に「フェアユース」という言葉が登場し、その決定要素に 4項目があると述べられています(強調文字、アンダーライン、色フォントは当ブログ主催者による)。
アメリカ1976年著作権法107条
106条の規定にかかわらず、批評、解説、ニュース報道、授業(クラス・ルーム内の多数の複製を含む)、研究、調査などを目的とする著作権のある著作物の フェアユース (複製物若しくはレコードへの複製、又はその他の手段による利用を含む)は、著作権の侵害とはならない。特定の場合に著作物の利用がフェアユースとなるかどうかを決定するときに考慮すべき要素には、次のものを含むものとする。
(1)利用の目的および性格(利用が商業的性格か非営利の教育目的かを含む)
(2)著作権のある著作物の性質
(3)著作物全体との関連で利用された部分の量及び重要性
(4)著作物の潜在的市場又は価値に対する利用の及ぼす影響
さらに、
「Stanford Copyright & Fair Use Center」
http://fairuse.stanford.edu/
の解説ページは、とてもわかりやすいものです。
A. What Is Fair Use?
http://fairuse.stanford.edu/Copyright_and_Fair_Use_Overview/chapter9/9-a.html
In its most general sense, a fair use is any copying of copyrighted material done for a limited and “transformative” purpose such as to comment upon, criticize or parody a copyrighted work. Such uses can be done without permission from the copyright owner.
「一般的に、fair use とは、著作権を有する作品を注釈(論評)する、批評する、パロディ化するような限定的で、かつ変化させる”transformative”目的のために行われた著作権物の複写のことである。このような使用に際しては、著作権所有者の許可を得なくてもよい。」
フェアユースには厳密な定義がなく、著作権物を利用するときは、著作権所有者の許可が必要であるか、不要であるか事例ごとに対応することになりますので、今後も実例、判例がとても参考となります。上記のスタンフォード大学図書館 のホームページが事例に関してもわかりやすいので、「インターネットのケース」を引用します(強調文字、アンダーライン、色フォントは当ブログ主催者による)。
http://fairuse.stanford.edu/Copyright_and_Fair_Use_Overview/chapter9/9-c.html#3
3. Internet Cases
Not a fair use. Entire publications of the Church of Scientology were posted on the Internet by several individuals without Church permission. Important factors: Fair use is intended to permit the borrowing of portions of a work, not complete works. (Religious Technology Center v. Lerma, 40 U.S.P.Q. 2d 1569 (E.D. Va. 1996).)
Fair use. The Washington Post used three brief quotations from Church of Scientology texts posted on the Internet (see previous case). Important factors: Only a small portion of the work was excerpted and the purpose was for news commentary. ( Religious Technology Center v. Pagliarina, 908 F. Supp 1353 (E.D. Va. 1995).)
「一部のみ抜粋する」 「新しいコメント投稿を行う目的のために引用する」ことは、インターネット上での Fair use です。なお、国内にはフェアユースに関する法律はないようです。
児童・生徒による作品、文章、意見・考え、写真などは、著作権の対象物であることは明白です。このため、学校ホームページや学校ブログでは、公開されているすべてのページに著作権を適用していることが多いようです。しかし、学校ホームページは、本来「コンテスト」対象サイトでもなければ、商業サイトのように営利目的で運用されているサイトでもありません。
ホームページ制作経験の少ない他の学校のためにも、一部のコンテンツ (プライバシーポリシー・利用規程など、著作権の対象物以外となりうるもの)を自由に利用できるような「寛容」な方針があってもよいのではないでしょうか。インターネットの目覚しい発展には、著作権フリーの技術が大いに貢献していることも周知のことです。
「独占的な状態への移行を許さない強い共有の仕組み」のことを コピーレフト ( copyleft ) といいます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/GNU_Free_Documentation_License
をご覧下さい。
コピーレフト ( copyleft ) とは1984年にフリーソフトウェア財団を設立したリチャード・ストールマンによって提唱された概念である。これは著作権法 ( copyright ) に対する考え方で、公での引用、改変、内部情報と派生物の再配布を抜け道なく可能にすることを義務づけたライセンスである。初めこれはソフトウェアに関するライセンスとしてつくられたが、その後他の著作物にも適用されるようになってきている。
フリー百科事典 ウィキペディア( Wikipedia ) も、この精神によるフリーのデジタルリソースです。また、エチケット・ネチケットは「ウィキペチケット」とよばれています。人々が共有する「百科事典」的な資料を自由に参加して作成するため、マナーも詳細です。しかも、わかりやすいので、とても参考になります。
ブログサービスを利用すると、ブログは学校の公式ホームページ URL とは異なる外部リンクとなります。しかし、一部の学校では、ブログ URL がブラウザのアドレスバーに現れず、フレーム frame 要素 内でのみ表示されていますので、この問題を再度取り上げます (他のエントリー ブログと外部リンク隠し, index.html のソース などもご覧下さい)。
リンク定義と解釈に関して、
東北大学 後藤 斉先生のウェブサイト リンクについて「リンクは自由!」
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/webpolicy.html#intro
の文章を引用します。
「リンク」とはHTML文書中で<a>要素(ないし<link>要素や <area>要素)にhref属性を用いてURLを指定している場合のことです。 <img>要素等にsrc属性によってURLを指定している場合はリンクではありません。・・略・・、<frame>要素や<iframe>要素 (・・・・) を用いることも、様態によっては読者に誤解を与える可能性があります。例えば、・・・フレーム内に他サイトのページを表示させたりすれば、著作物全体を引用(あるいは転載)していることになっているように思えます。
つまり、リンクについて「当社 URLがアドレスバーに現れるようにリンクしてください」との指定があるページをフレーム内で表示すると、不正を行ったことになりかねません。
ブログについては、ブログ著者 (たとえば、学校側) が 有料ブログサービスやフリーの Blog (ソフトウエア・プログラムだけ) を利用し、フレーム内表示しても、このような著作権や著作物に関する問題とはならないのでしょうが、無料ブログサービスであれば 学校で作成したコンテンツや記事 以外のものについてはブログ提供側のサービス利用規約をよくご確認の上、使用して下さい。
ホームページを作成、公開するときには「著作権」の有無を明記した方がよいでしょう。学校ブログを有する学校のインターネット利用規定 ( リンクした従来型の公式ホームページ内が多い) をみると、個人情報、プライバシーに関する規約とともに、著作権についても記載されていることが多いのですが、インターネット利用規定が公表されていなかったり、著作権不明のホームページもあります。
最近、ロボット型検索エンジンの高性能化とともに、トップページでない内部リンクのページ (サブページ) やブログへ直接アクセスするサイト利用者・訪問者が増えています。よって、厳密には、著作権の有無や営利目的での使用の可否などについて、サブページの各ページやブログでもわかるような工夫が必要です。
(例)
"キッズページ, i-learn.jp, 日本の学校" でおなじみの「国際大学グローバル・コミュニケーション・センター GLOCOM」さん
http://www.glocom.ac.jp/
は、世界的に有名な「クリエィティブ・コモンズ・ライセンス」のホストでもあります。
http://creativecommons.org/worldwide/
トップページやサブページに3つの属性を無料で任意に表示できます ( 当ブログでは 「帰属 – 非営利 – 派生禁止」 と設定しました)。
ただし、現時点での「コモンズ証」とは、コンテンツの著作者が 「自分はこのように使ってほしい」ということを主体的に宣言するためのもの のようですが、© Copyright とだけ表示するより親切ですし、また、コンテンツを「コモンズ証」許可範囲外の用途で使用したいユーザにとっては、ホームページ管理・運営者や事務局への連絡が行いやすくなります。